
あまり詳しく無い方にとって『刀』というと、イメージされるのは時代劇で見るような鞘が黒塗りで鍔がついてて柄に紐が巻かれている物ではないでしょうか。
メッセージなどでも『鍔とかは付いた状態での価格ですか?』というご質問を頂くので今回は刀の鞘についてのお話をさせて頂こうかと思います。
まず、僕の作るものを含め多くの現代刀は『白鞘(しらさや)』という木だけで作られたシンプルな鞘に納めた状態でのお渡しになります。(写真のやつです)
この白鞘は別名『休め鞘』とも言い、刀を保管・保存するのに適したものです。
刀にとって一番リラックスして休めるのが白鞘で、人間でいうと部屋着やパジャマみたいなものですね。
逆に漆塗りの鞘で、鍔などの金具がついたものを『拵え(こしらえ)』といい、形状や色、金具の種類などはかなりバリエーションがあります。
現代刀においては白鞘でご注文主様にお納めしたあとに、ご希望の場合にのみ再度拵えの職人さんにお預けして製作するものになります。(当然拘れば拘るほど値段も上がります;)
リラックスウェアの白鞘に対して、拵えは刀にとっての外出着にあたります。
色や金具によってドレスだったり着物だったりスーツだったりするわけです。
以上が刀の鞘(拵え)についてのとてもざっくりとした解説になります。
さて、その上でおそらく多くの方が気になっておられるであろう『拵えの値段』のお話を少しだけさせて頂こうかと思います。
上にも書いた通り拵えは『どんな形のものにするか、どんな塗りにするか、どんな金具(鍔・目貫・縁・頭など)にするか、どんな柄紐にするか』等々により値段が変わり、ほんとに一概に言えるものではありません。
(鍔だけでも値段帯は数万円~数百万円と大変幅広く・・・。)
ので拵えを作るとなった時は『予算に幾ら掛けられるか』という上限を決めて、その上でご注文主様のお好みなどを聞きながら決めていく感じになります。
因みにですが、僕は『拵えの値段は中身(刀)と同じくらいが釣り合いがとれる』と習いました。刀が良いものなのに安物の拵えを付けると(逆も同様)ちぐはぐな感じになる、という考え方ですね。
ただ、この考え方が正解という訳ではないのでその辺りは刀を持つ方の自由だと思っています。お金持ちがユニ●ロ着たらあかんなんてことはないですから。(これ悪口じゃないですよ僕もユ●クロさんに大変お世話になってますから)
自分のお守り刀に、高くはなくても綺麗な拵えを付けてあげたいという想いは作り手としても大切にしたいと思っておりますので、拵えを作りたいという方は是非ご注文の際に一度ご相談頂ければ!
今回は以上になります。もしご質問などございましたらDMなどでお気軽にどうぞ!
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